分析結果について
分析結果は下記のような報告書にて報告させていただきます。お申し込み用紙に記載のメールアドレスにお送りさせていただきます。メールがない方はFAXにてお送りさせていただきます。
※カラーチャートの方が分かりやすく綺麗ですので、メールをご用意いただくことをお勧めさせていただきます。
当コンテストの開催目的は、食べる人の美と健康を支えることができる抗酸化力の高い農産物の栽培方法・土づくりの方法を確立することです。コンテストを開催することで、誰のつくった農産物が、抗酸化力が高い農産物なのかを見極め、成績上位の農業者にその栽培方法を教えてもらい、その技術を分析・解析して、栽培試験などを行い、安定的に抗酸化力の高い農産物を生産できる栽培技術の確立することを目指しています。また、残念ながら成績の悪かった方の栽培技術にも学ばせてもらい、改善方法を探し、農産物全体の底上げができればと活動しております。当コンテストに参加された方には、参加者特典として、希望者に全参加者のデータを配布しています。農業者同士が技術を競い合い、日本の農業技術全体が底上げされていくように、世界に対しても、多くの方が望んでいる抗酸化力の高い農産物が安定供給できる技術を確立し、誰もが抗酸化力の高い農産物を簡単に食することができる世の中を目指しています。
身体に美味しい農産物コンテストの前身となる「栄養価コンテスト2020」に「人参」で参加された方の60件の抗酸化力を高い順に並べてみました。平均値が2つあるのは、寒くなるほど栄養価が高まるため、10月~11月と12月~翌年1月を表示してあります。注目していただきたいのは、抗酸化力が一番、高い方、平均値の3倍ほどあります。愛媛県のいけちゃん農園は、栄養価コンテストの初期から参加し続けてくれています。1位を取りたいということで、技術を学び、土づくりを見直し、3年の試行錯誤の努力の結果、3年目で1位となりました。
「抗酸化力」とは、あまり馴染のない指標だと思います。わたしたちの体は酸素がないといきていけませんが、体の中で使われている酸素の0.1%ほどが活性酸素というものなり、わたしたちの免疫システムとして働いています。活性酸素は電子が一つ足りないために、周りの物質から電子を一つ奪って安定した物質になろうとします。電子を奪われた物質は、不安定になり、周囲の物質から電子を奪うという連鎖反応を起こします。電子を奪われた物質は壊れてしまいます。この仕組みを使って、体外から入ってくるウイルス・細菌・化学物質などから電子を奪い、壊すことで無害化しているのです。しかし、この活性酸素、増えすぎると健康な細胞をつくっているタンパク質や遺伝子なども酸化してしまし、壊していっていまいます。電子を一つ奪われた物質は、他の物質から電子を一つ奪おうとするので、周囲の物質は次々に電子を奪われて、まるでドミノ倒しのように、連鎖的に壊されていきます。このドミノ倒しにストップをかけるのが、野菜や果物から摂取することができるビタミン・ミネラル・ポリフェノールなどの色素です。これらの栄養成分は足りない電子を戻して、ドミノ倒しをやめさせることができます。
活性酸素はストレスによって増えます。特にさまざまな化学物質によって、大気や水が汚れてしまっている現代社会では、毎日、知らず知らずの内に、さまざまな化学物質を体内に取り込んでしまっています。これがストレスの原因なり、活性酸素が多くつくられています。働きすぎもストレスとなりますが、運動不足もストレスになり、活性酸素を増やします。現代社会で生きていくにはストレスから逃げ切ることはできず、よって、体内に発生する活性酸素と上手に付き合っていく必要があります。これまで以上に、野菜や果物といった抗酸化力のある食べ物を食べて、身体をケアしなくてはなりません。
活性酸素は、遺伝子を1日あたり50万ヵ所ほど壊しています。壊れた遺伝子によってガン細胞が発生します。ガン細胞は1日あたり数千個ほどできていますが、免疫細胞によって食べられて除去されています。医療の進歩で、さまざまな病が克服されて、最後に残ったものがガンです。そして、日本人の死亡原因の25%がガンとなっている。ガンを予防するには、野菜を食べて、野菜のもっている抗酸化物質を身体に取り入れて、ガンの原因の活性酸素を除去するのがよいようです。
アメリカでは、増え続け財政を圧迫する医療費を削減するため、ガン予防のために、「1日5皿の野菜を食べよう」という食育運動を実施し、野菜の食べる量を増やした結果、ガンが原因で死亡する人が減っています。これに対し、日本人は年々、野菜を食べる量が減ってきています。そして、ガンで死亡する人も年々増え続けています。
この野菜や果物が持っている活性酸素を除去する力を抗酸化力といい。試薬でその量を調べることができるようになりました。DPPH法は、人工的につくった黒色の活性酸素で、還元されると透明になるという物質を試薬として使用し、野菜や果物から取り出した汁をかけて、真っ黒が透明になるまでの時間を計測し数値化したものです。わたしたちは植物とともに進化してきたので、植物と同じ活性酸素という免疫システムを持っています。しかし、植物のようにたくさんのビタミンなどの抗酸化物質を体内に作り出し、活性酸素をコントロールすることができません。そこで、野菜や果物を食べて意識的にコントロールしなければならいのです。これが野菜や果物を食べる理由の一番になるかもしれません。
わたしたちの体内の活性酸素はストレスで増えることが分かっています。活性酸素によって細胞をつくっているタンパク質や遺伝子などが酸化されることを「老化」ともいいます。酸化=老化なのです。ストレスが多いと老けるのは、この活性酸素による酸化が原因なのです。だれもが望む「いつまでも若々しく、いつまでも美しく」は野菜の果物の抗酸化成分によって実現できる。ならば抗酸化力の高い農産物をつくることができる農家さんの仕事は、社会の「美と健康を守る」仕事ということができるでしょう。農業という仕事は、近い未来には、病気にならない健康な体づくりを支える予防医学の柱となり、農業自体が生命を育みながら生命を支える「生命産業」と進化していくと思われます。今は、そのはじまりの時代にあるのです。